ネガティブな思考は止められない!?

人間は考えないでいることが出来ない

人は考える生き物である。どのくらい考えているのかというと、よく1日に6万回とか言われたりしている。そんな数字で言われてもピンと来ないという人は、一度ざっくりでいいので計算してみて欲しい。私の睡眠時間を引いて計算すると、1秒に1回以上となる。つまり、人間は生きている間ずっと考えているのだ。別の言い方をするなら、人間は「考えない」ということが出来ない生き物なのだ。

 

 

それを聞いただけで何だか疲れてくるのだが、残念なことにもっと疲れてしまう事実をお伝えすると、6万回のうち2〜3割は意思とは無関係に頭に浮かんできてしまう思考で、さらにその8割はネガティブな思考なのだという。

 

 

ただ、それは人間が生きていくために常にまわりに危険がないかと注意を払う、いわば危険回避プログラムであり、この世の中のすべての人の遺伝子に深く刻み込まれている。だから、何も考えないで過ごしたいと思っても考えることは止められないし、自然とネガティブな思考が頭に浮かんで来ることも止められないのだ。

 

 

考えるだけで分泌されるストレスホルモン

しかしながら、そのおかげで人類はここまで発展して来たのだ。ただ、生存のために身につけた能力が、今では自分のまわりのよいコトよりもこれから起こるかもしれないよくないコトにばかり目を向ける思考のクセになってしまい、逆に人間の生存を脅かす原因になってしまっているという何とも皮肉な状況を招いている。

 

 

そのような不安や恐れの中で生きていると、当然ストレスがかかった状態になる。すると体内では自動プログラムとでも言うべきホルモンを分泌し、ストレスに対処しようとする。いわゆるストレスホルモンの代表格がアドレナリンとコルチゾールだ。それらのホルモンが出続ける状態であればカラダにはいろんな悪い影響が起こり得る。高血圧・高血糖・老化・疲労などに始まりさまざまな病気が引き起こされるリスクが高まるのだ。

 

 

ただ、基本的にはこれらのストレスホルモンは分泌されても数分内には体内で分解され消えて無くなる。ストレス自体がなくなればもちろん分解されるので何も心配はない。

 

 

しかし、それらが長期間に渡り出続けてしまうのは何が作用するのかと言うと、それこそが「思考」であり、勝手に止まるところを知らず浮かんで来るネガティブな思考によりコルチゾールが作られてしまうのだ。

 

 

そして、カラダはそれが現実にある脅威なのか、心理的な脅威なのかの区別がつかないので、ネガティブな思考が繰り返されるとドンドン肉体は蝕まれていくことになるのだ。

 

 

最善の対応策、それは”呼吸”

では、どう対処するのか?いわゆるポジティブ思考になりましょう!なんて言ったところですぐに切り替えられるならとっくにやってます!って感じではないだろうか?そもそも繰り返すが、ネガティブ思考は止められないのだ。それは無意識に湧き起こって来るのだから。じゃあ打つ手はないのか?

 

 

もちろん、そんなことはない!例えば、「運動」なんていうのは教科書的に理想の対策だ。運動と言ってもハードなものではなく、もっと気軽な運動で十分なので履き違えないで欲しい。

 

 

ただ、現代人はその気軽な運動すらしない人、したくない人も多いのは長年トレーナーという仕事をして来たので嫌というほど知っている。そんな人のために私が日々お伝えしているのが「呼吸」である。

 

 

ここで呼吸と聞くと、ちょっと詳しい人、知ってる人にはまたあれか?と想像する方もいるであろう。そう!人間が本来すべき”よい呼吸”を持って深呼吸を何回かでもすれば見事にコルチゾール値は下がることが証明されている。だが、残念なことにこの呼吸すらお教えしても続かない方もいるのが残念だが事実。なので、今日はもう一歩突っ込んでお伝えしよう!

 

 

「ため息」をつくと癒される!

それは「ため息」のススメ。

 

 

私も1日の仕事が終わり疲労度が高い時、気づいたら大きなため息ばかりついていることがよくある。基本的にはネガティブな印象が強いため息ゆえ、あまり人前ではつかないが1人でいる時などは遠慮なく大きなため息が出るのに任せてつきまくっている。

 

 

ため息は深呼吸より大きな吐息になるので、いわゆる腹式呼吸が苦手な人でも自然に横隔膜を使える深い呼吸が出来るのだ。呼吸の主役である横隔膜には自律神経がたくさん分布しているので、それをしっかり動かすことで自律神経の調整がなされるのだ。

 

 

逆に言うと、疲労度が高い時は横隔膜がしっかり使えておらず、みぞおち辺りが硬くなっていることに気がつく。だから、カラダが自然にため息をつかせて回復に務めてくれるのだ。つまり、ため息をつくと癒されるということ。

 

 

だから、ため息なんてついてはいけないと、それこそ思い込んでしまっている人は、これからは遠慮なくため息ついた方が身のためだと言うことを知ってもらいたい。お金も時間も労力もかからない、こんな楽チンな「ため息」すら面倒臭くて出来ないと言う人がいたら、あとはご自由にと言うしかない。

 

 

 

カラダ・知る・ジム BODY TIPS

コンディショニングトレーナー 

亀田圭一

 

 

 

Photo by Anthony Tran on Unsplash